この本はケトルベルともホルモンとも関係ないのだけれど
私がヨガをもってしてトレーニングの回復に充てていることもあり
よって、ここに紹介するものである。
ヨガ自体はいろいろな流派があるらしいが
私としては細かいところはおいておいて、体の回復に役立つものを選定し習った。
(長野県までお邪魔した)
その流派ではあんまり精神的なことはいわず、解剖学的な、生理学的な点で解説をしてくださり、
その点で非常にためになるとともに、そのスタイルが自分にあっていると感じた。
別にいいのだ、スポーツジムのスタジオプログラムで
ヨガインストラクターのいっているとおりに体を動かしていれば一定の効果があるに違いない。
定期的に継続して通えば、その努力に応じた成果が上がることが期待される。
でも、体の仕組みを知っていれば、知的好奇心を充足させるとともに
より洗練されたアーサナをきめることができるのではないだろうか?
インストラクターがなぜあのようなアドバイスを言ったのかがもっと深くわかるのではないだろうか?
というわけで本書。
私は、大人が何かを学ぶにおいて、理屈の説明があるに越したことはないと思っている。
英語を学ぶのにそのまま赤ちゃんのように学ぶのは大人にとっては必ずしも効率的ではない。
文法を学び、その利用方法を学び、練習して習得するのだ。
ケトルベルだってヨガだってそうだろう。
この動作では何をポイントにしているのか、よくある間違いは何か。
それを感知するためには?補正するには?それらを一つの流れとして組み立てれば記憶定着も良い。(と思う)
本書は理学療法士の方が書いた本である。
ヨガの基本ポーズ集である太陽礼拝をテーマに解剖学の見地から解説している。
いきなり最初が山のポーズ、素人目にはただつったっているだけであり拍子抜けするかもしれない。
しかし、本書を立ち読みでもいいから読んで欲しい。
立つということがどういうことなのか、新鮮な驚きとともに
怠惰な自分と(効率的な自分?)向き合うことになるだろう。
私は特にケトルベルインストラクターを取った辺りから
正しい動作は一つ、表現は多彩という点を強く認識している。
多分それは真実で、ある動作の正しい動作はきっと一つなのだ。
でも、
RKCはRKCの表現で(多分アメリカ人にピンとくる表現で)ハタヨガはハタヨガの表現で
ホットヨガはホットヨガの表現で。個人インストラクターはその個人の色が出る表現で
チェーン展開しているインストラクターは本部が支持する表現で
表現しているのだろう。
胸を張るのもいい姿勢を形作るのに必要な要素。
あごを引くのもそうだし、
操り人形になったように頭頂を中空に押し上げるかのようにするのもそうだろう。
どれか一つじゃなくってきっとどれもが正しい。
そしてどれか一つから正しい動作ができるのであれば
きっと他の表現にも合致する動きになっているのだろうと思う。
逆に、インストラクターの立場からすれば
受講者の方に「ピンときてもらう」のが仕事だったりする。
RKCの場合、ケトルベルを操作することは体に負荷をかける「トレーニング」なので
体に負荷がかかっていると体感してもらわなくてはならない。
正しい動作と間違っている動作とでどのように感覚が違うのか実感していただく必要がある。
となると、必然的に表現の幅がものを言う。
ゴルフをやっている方にはゴルフを例に取り話すのがいいだろうし
野球をやっている方には野球を具体例に話すのが良いだろう。
実際、スイングのダウンスイングについて質問を受けた際に
キャッチボールの要素を踏まえて解説をしたことがある。
上手く理解していただき、納得していただけたようだった。
(理解だけでは意味がない)
その意味で、正しい動作の本質、核は何か
そしてそれをどのように表現すべきかを学ぶ一冊に本書はなると思う。
本書は冒頭でも述べたように「太陽礼拝」をテーマに解説を行っている。
太陽礼拝とはヨガの基本的なポーズを一つにまとめた「ポーズ集」。
RKCミニマムのようなものだと考えていただければ差し支えない。
一つのポーズに対し「keyword」と「work and feel」で解説をしている。
ポーズの解説間にあるコラムも良作。
ヨガの愛好家だけでなくスポーツジム初心者にもお勧めできる。
良作だと思われる。
尚、ケトルベル愛好家はダウンワードドックのポーズを精読の事。
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