著者はアルファ波の研究者の方。
この本はその内容が豊富であることとともに構成が非常に参考になる。
最初に提案した方法が起床時に二回伸びをして「あー、よく寝た」と言うこと。
本当に寝ぼけているときは忘れてしまいがちだが、
上手くできた時、軽やかに起きることができる。
うつ病の方にもこの方法が効いたという。
やってみたところで何を失うものでもない。目覚めに悩む人は試してみてはいかがか?
最初に一番手軽で一番効果が発揮できそうなメソッドで読者の目を引く。
この構成は大変参考になる。
著者はその立場から、脳の満足感を最大限に生かすべきと述べる。
そこを軸に本書では、細大、生活を豊かにするメソッドを説く。
イメージの大切さが私には印象に残った。
当ブログを読んでいる方は多かれ少なかれ筋力増加筋量増加に興味があることだろう。
その中には以下の逸話を聞いた方も少なくないはずだ。
ボディビルダー二人の比較。
一人は一生懸命エクササイズを行う。もう一人はイメージをするだけ。
エクササイズをしたイメージ。望む体を手に入れたイメージ。
果たしてその結果たるや驚くなかれ、成果に違いは見られなかった
細かな部分は間違えているかもしれない。しかし大枠ははずしていないはずだ。
人間には脳が大きく関与しているらしい。
ある程度読み進めて、漫画の話で恐縮だが「おおきくふりかぶって」を思い出した。
そこで紹介されたメソッドがそのままの形で本書に紹介されている。
どちらが先かはあまり関心がないが、それぞれで紹介されているということは
おそらくいい方法なのではと想像がつく。
ではなぜその成果が聞こえてこないのか。
あまりにも簡単で犠牲を払わない(時間がかかるとか、お金がかかるとか)
方法であるがゆえに、皆、方法を知るだけで満足してしまい実行しないのではないだろうか?
この実行しない病、はあらゆるところに落ちているワナである。
例えば、変わったトレーニングを知った。実行するのが重要なのに知るだけで満足。
トレーニング方法オタクとなって議論に花を咲かせる。
例えば、英語のトレーニング教材。実行するのが重要なのに買っただけで満足。
勉強方法オタクとなって、勉強方法の研究に汗を流す。
そのような楽しみ方があることを否定しない。
しかし、実質的な効果を望むのであれば実行せざるを得ない。
これは私自身、自分に失望しつつ反省しなければならない点でもある。
端的に「こうすればこうなる」「こうじゃなくてこうしろ」的な文章がちりばめられているため
ロジカルな論文ではなくエッセイのようではある。
しかし、だからこそ普通の人が理解しやすい。
また、最近の私の信条である「自分の味方は自分だけなのだから、自分が好きな自分になろう」
という考えを補佐するようなメソッドが随所に出てきており大変心強い。
本書は冒頭に書いたように、アルファ波の専門家が著したものである。
なんだ、ホルモン関係ないじゃん?
そうお思いの方もいると思う。そうではない。
本書はホルモンでいえばドーパミンを主役にしている。
このことは本書の最後に明記されている。
ロジックとしては、脳を快適な状態に落ち着ける⇒アルファ波が出る
⇒ドーパミンをはじめとするホルモンが分泌され⇒心身に好影響が出る
という流れになる。
ホルモン分泌の端緒に触れられると思うし
そもそも、ホルモンなんて関係ないぜ、というかたにも奨めやすい。
さて、せっかくいいことを知ったのだ。「実行」しなければ。
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