ジム・レーヤーという方の著作。
仕事で部下に「こういうものを教えてもらった」と紹介されたのがこの本。
「ずいぶんストレスを抱えているようですので」
そのとおり。
仕事でずいぶんとストレスがたまっていたのだが
紹介してくれたその部下がストレスの原因の一つであったのは皮肉なことだ。
さて、ジムさんはスポーツ心理学の権威だそうで
彼の指導を受けて金メダルを取った選手もいるという。
その活躍はスポーツ界のみにとどまらずそのメソッドはビジネスの分野にも波及している。
この本を紹介しようと思ったきっかけはそのストレス対処の対象にある。
このブログをご覧の方であれば多くの方がご存知であろうホルモン
コルチゾールについて書かれていた。
ストレスの対処としてコルチゾールへの対処も紹介されている。
であればこの本を紹介する意味があるだろうと考えたのだ。
メンタルタフネスでは
IPSの重要性を紹介する。
IPSとは自分の理想的な心理状態であり,
スポーツ選手の結果は技量や才能以上にIPSをコントロールできるかどうかだという。
日本では「ゾーン」という言葉で紹介されているものに近いのかもしれない。
著者は、人はタフネスを得ることでIPSをコントロールでき
よって、最大の成果と幸福を得られると説く。
では、どうすればタフネスを得られるのか?
タフネスを得るためのトレーニングとは?
理屈は単純で、既知のものであった。
オーバートレーニング、アンダートレーニングに気を使いつつ
ストレスをかけ、回復させるという波に乗る。
ここで疑問が生じる。
・オーバートレーニング、アンダートレーニングの測定方法はないものか?
・やはり、継続するコツというものが必要だ
後者はあらゆることにいえるはず。
真実は大概とてもシンプルで、一流の人が言うことの共通点としてあるのが
「当たり前のことを当たり前にやる」であったり
「基礎をきちんとやる」というもの。
結果につながるのは不確定要素たる才能と、圧倒的な練習量。
継続する。・・・わかっているはずなのに、できない。
解決策など、ない。本人の意識や人生における優先度に左右される問題だ。
メソッドだけわかっても実際に「本人が」どうにかするもの。
(何らかのコツがあればまとめたい話では、ある)
しかし前者は何らかの方法があるかもしれない。
著者の答えはまたしてもシンプル。「fun」であった。
>「ストレスと回復のバランス」を測る唯一で最高の尺度は
>純粋なポジティブエネルギー、すなわち楽しさである。
>
楽しさがなくなったら要注意だそうだ。
楽しさがなくなったらオーバーワークだ。
ストレスをかけるのではなく回復しなければならない。
>高いレベルのストレスはあなたを弱くも強くも維持することもある。
>ストレスの量とそれに応じた回復の量が不可欠な要素である
トップテニスプレイヤーにとって、
得点が入ってから次のプレーに移るまでの25秒間は回復の時間であり
その時間がゲームの成果に大きくかかわってくるそうだ。
同様にビジネスマンであっても仕事中、ちょっとした休憩を挟み
ストレスから回復して、また仕事に打ち込むという方法を推奨する。
>人生における成果は、ストレスの山と回復の谷というサイクルを
>作る能力に左右される。
そうだ。
では、回復にはどのような方法があるのか。
肉体、感情、精神の回復についてと最大の回復である睡眠。
そして仮眠についての説明が続く。
そして食事(含、水分)。運動、会話。
なんにしても重要なのはリズムを乱さないということだ。
回復すべきものにも順番がある。
詳しくは本書を参照されたい。
参考にすべきものはたくさんあるが
仕事でハードワークを行っていると十分な睡眠時間が取れないのは
私自身痛烈に実感しているので
「十分な睡眠」が必ずしも解決策にならないことは重々承知している。
生活サイクルの見直しなどと奇麗事を言っても一日は24時間以上にはならない。
(ダラダラしているのであれば論外である、が。)
ここは、なんとか、サイクルを整えることで対処したい。
ビジネスマンにはそれしかないと私は考えている。
個人的にはトレーニングを夜に行うと睡眠量を必要とするので
朝方に行うといいのでは?という仮説を立てている。
(交感神経を優位にし、血流量を上げ、日中での肉体的回復を促進させる)
多くの人が朝と夜では夜にトレーニングをするほうがいいと言っている。
おそらく実証研究もあるのだろう。私も多分そうだと思う。
トレーニングに対する短絡的な成果を求めるか、
生活にトレーニングを取り入れて長期的な効果を求めるかが判断のポイントだと思う。
もちろん、夜にトレーニングをすることでリズムを作れるのであれば
それに越したことはないと思う。
(本書でも遅くに行うトレーニングを推奨している)
PR