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イテキタ。いてきたぞ。

競技スタイルに興味があったのかと問われれば
なかったとはいえない
という歯に物がはさかった言い方を私はするだろう。

何の因果か今年の冬は時間をとることができ、今まで自分のしたいと思っていたことに
時間を割ける状況が整ったのだ。

競技スタイルを体験する。それもそのひとつであった。
私はRKCを取得したインストラクターである以前に
日本の会社で、知識と教養と名刺を武器に戦うサラリーマンである。
当然生活上の優先順位は仕事や家族であり、将来への投資であり保険である。
トレーニングは他の多くのトレーニー同様、生活の潤滑油である。
それに金と時間をつぎ込むにはそれ相応の調整というものがかかる。

調整を終え、参加することを決めたのが
OKCワークショップ締切日を大幅に超えた、ワークショップ二日前。
ケトルベル関連はいつも唐突だなぁと自分の行動を思い返してみるに
そこに計画性と突発性と、感情の一時的な爆発が見え隠れし始めたので
考えるのを、やめた。

さてはともあれ会場たる大森である。
本来の予定であれば自転車をこいでエコでロハスなton960を演出しようと思っていたのだが
朝、時計を見ると9時。どう時間を越えてみても自転車では間に合わない。

ふはは。どうやら今日は時間の進みが速いらしい。

うまくいかない現実逃避をよそに、考えておいた会場到着後のシナリオを詰める。
主催者に方に、後の防府でのワークショップにも参加できるよう金額の準備。
RKCのイントラであることを示せばネゴが少しでもとおるのでは?と
(締め切りを過ぎているので受け付けられないといわれても文句は言えない
 (でも、交渉の余地はあるはず))
RKCイントラのTシャツを用意。
朝ごはんもそこそこに朝ごパンを食べ、チャリンコを家に残し文明の利器電車で会場に到着。

NAZOさん。ジョンさん。ドルビーさん。
競技ケトル会の有名人はどんな人だろう?
厳しいのかな?やさしいのかな?そもそも参加を許してもらえるだろうか?
不安と不安と、そして不安を抱きつつ大森ゴールドジムに入っていった。
時間はぎりぎり。もしネゴが発生しても俺は粘るぜ。

会場到着第一番
「失礼します、NAZOさんはいらっしゃいますか?○○(俺の名前)と申します」と
元気よく挨拶。第一印象は大事だ。
そうするとNAZOさん。「あー○○(俺の名前)さーんv」
??なんでおれのなまえをしっとるの?よくわからんかったが事情を説明しましたん。
ありがたく事情をご理解いただき今回のワークショップとともに
防府でのワークショップ参加を承諾いただく。料金も支払ったしバッチリおーけー。

内容は12月10日に開かれる本番の競技会に向けてのワークショップ。
スイングなんてみんなできますよね?
というひとことで、準備体操を終えた後、種目はいきなりジャークから。
ジャークはRKCでは正式には習っていない。
RKCにはRKC2という上のクラスがあり、そこで習得する種目なのだ。
正式にインストラクターから習うジャークはこれがはじめて。どきがむねむねする。

なにはなくとも驚いたのがクリーンの違い。
NAZOさんには
「クリーンなど、RKCと競技スタイルの比較を、もしなさりたいのであれば
私が実演いたしますのでご自由に使ってください」
と言っておいたが、まさかここまで違うとは。
一種のカルチャーショックを受ける。

しかし一方で、多くに受け入れられている何かには一定のロジックが通っているもので
自分でやり、話を聞き、質問し、また自分でやっていくうちに、
なるほど、これもひとつの方法であるな、とひとつ視野が広がった気がした。

私は、自分を、多くの価値観を包括し許す人間でありたいと願う。
であるので、それを許さない人間すら許容する。
なので、自分にないロジックに対し貪欲だ。
なぜそのような論理が成り立ったのかを知りたいのだ。

そんな私に提示されたひとつの資料があった。

それはNAZOさんがロシアで研修を受けた際に手にしたロシアでのマニュアルである。
恐れ多くて私は手を触れられなかったが、端から見るに、微に入り細にいり、
ケトルベル競技の多くが、分析され研究されまとめられ編纂されているのがわかった。

ジョンさん曰く「ロシア人は研究が好き、後は勝つことが好き。正しいかどうかは関係ない」
それを聞いて「ロシア人は科学者であり勝負者なのだ」と一人で納得。

ジャークが終わりお昼御飯休憩。
その後はLC(ロングサイクル)と呼ばれる種目の講義に入る。
ロングサイクルとは簡単に言ってしまえばC&J。クリーン&ジャークである。
ここでも大きな障害が。私のダウンスイングに欠陥が見つかる。上手にできない。
去年このワークショップに参加なさったという方はさすがに上手だ。
悔しいが認めざるを得ない。
そこで、実演、観察、実技、質問、そしてまた実技、質問、復習。

ハードスタイルであれ競技スタイルであれ、
上手な試技は美しい。
審美眼とは何なのだろう?
黄金比を例に出すまでもなく、鍛えられるものでもあると同時に本能的なものでもあるはずだ。
ジョンさんやジェイソンさんが多くの試技を披露して下さったがキレイだった。

その後、最後はスナッチ。
スナッチについてはあくまで私見なのだが面白いことがわかった。
結果的にハードスタイルと競技スタイルは違わない。
うまく言葉にできないが、東京から大阪に行くのに飛行機で行くか新幹線で行くかの違いのようなもの。
アプローチの違いだと感じた。(後日勘違いだと判明リンク先参照のこと
結果的に目指すスナッチは同じであり、それには複数の種類がある。
自分にあったスナッチを選ぶのは一人の競技者として当然だ。

一点、違うところがあるとすればダウンスイングになるだろうか。
RKCでは絶対に親指を下にしたダウンスイングを指導される。
これは指の保護のため、圧迫されてつぶされないため、安全のためだと解釈している。
一方で競技スタイルはその逆、親指を上にしたダウンスイングも「許容」する。
つまりはどちらでも良い、のだ。
どちらにもメリット・デメリットがあり特色がある以上、
身体的個性に合わせた効率的なやり方を許容するというのがGSスタイルらしい。

10時から17時という案内を見たときは長いと感じた。
しかし仮眠をとって起きた今ではあっという間の出来事だったのだと
雲をつかむようなふわふわした感触だ。

今回の私の目的、知見を広げるという目的は大いに達成された。
ブログ上ではこういう人だと知っている人と、実際に出会え、話ができたことも大きかった。
これもひとつの縁。大事にしたいと大いに願う。

そして何より主催されたOKCJのNAZOさん。
同時通訳の大変さは想像以上だと思います。お疲れ様でした。
NAZOさん、キレイでしたよ。
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